「トーンクラスター」の総帥ペンデレツキ、70年代の自作録音。
「広島の犠牲者への哀歌」が入っているお得盤。
この曲は誰が聞いても、阿鼻叫喚を感じるが、実は絶対音楽であり、話題になるように後からタイトルを付けたらしい。
トーンクラスターとは、音の塊、すなわちオクターブ全ての音を出すような「騒音」の類のこと。
恐怖や惨劇、破滅をイメージしていて、ポスト・セリー音楽と言われた。
しかし、誰がやっても同じように聞こえるのが、損なところであり、トーンクラスターは流行らなくなってしまった。
祖国ポーランドの解放後、ペンデレツキ先生は、最近は指揮者としてもお忙しく、その破天荒な指揮ぶりは、一聴に値する。
トーンクラスター音楽を聴いていると、ホラー映画のBGMにぴったりで、「サイコ」や「鳥」などのバーナード・ハーマンのヒッチコック映画に出てきそう。
というか、ハーマンの方が先のような気もする。
ちょうど、鳥や虫が大量発生したときの、騒音が近い。
(「エクソシスト」や「サスピリア」なんて、これから比べると柔らかすぎる。)
20世紀は映像の世紀と言われるが、本当にそうだと思う。
映画が無ければ、こんな音楽も、認知されなかっただろう。

ペンデレツキ 管弦楽曲集 EMI(2枚組)

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