アメリカ資本が金をかけているのか、画面が実に綺麗だった。
このドラマは夜汽車のシーンが一つの見せ場だが、それをジョーン・ヒクソンの前作より、ふんだんに、上手に使っていた。

脚本では、昨日(「書斎の死体」)のようなビッグサプライズはなかった。
犯人を知っている身には、可もなく不可もなく、平均的な出来だ。
それでも過去の映像化された作品と比べると、幾分マシである。
この作品のポイントは、前半(死体が発見されるまで)の盛り上がりを後半、如何に持続させるか。
それを後半のスピード感で補ったと思う。
ただし、スピードを出し過ぎて、抑揚がなかったのも事実。
筋を追うだけの平板なものになってしまった。

出演
デビッド・ワーナー(ルーサー・クラッケンソウプ役、他に「タイタニック」)
ずいぶん、優しい親父だった。
ジョン・ハナ(トム・キャンベル警部役、他に「ハリケ−ン」「ハンナプトラ」「フォー・ウェディング」「検死官マッカラム」「リーバス警部」)
出演者の中では、もっともメジャーな人だ。でもこれだけの人を使いながら、見せ場が足りない。
アマンダ・ホールデン(お手伝いさんのルーシー役)
ルーシーは、この小説の主役。しかし好みのタイプでないので、最後の選択は全くハラハラしなかった。
マイケル・ランデス(娘婿ブライアン役)
男前のコブ付きヤモメ。ルーシーは彼の存在を意識している様子。
ニーヴ・キューザック(娘エマ役)
このつづり(Niamh)でニーヴと読んで良いのだろうか?それにしても、この役はキャスティングしやすいのだろう。いつもぴったりの人が配役されている。
脚本スティーブン・チャーチェット
演出アンディ・ウィルソン

ファーストシーズンの四作品が終った。
この中で、やはり「書斎の死体」の結末に驚かされた。
「牧師館の殺人」と「パディントン発4時50分」は平均的。
「予告殺人」はやや不出来。
逆に言えば、ジョーン・ヒクソンの前作では、「予告殺人」が良い出来で、「書斎の死体」はつまらなかった。
私はジョーン・ヒクソンのシリーズをさほど評価していないので、今回のシリーズを「こんなものだろう」と思う。
いや、思った以上に健闘している。
米国人が製作にどこまで関わっているのか知らないが、本格派不毛の国アメリカを(市場として)考慮していると思う。
その中で、これだけのものを作ったのだから、良しとしよう。
もちろん、これは第一シーズンなので、ファンの声は反映されていない。
第二シーズン以降にさらに期待する。

パディントン発4時50分 2004 ITV

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パディントン発4時50分 2004 ITV” への3件のフィードバック

  1. パディントン発4時50分(ミス・マープル)

    シェアブログiceblueに投稿
    アガサ・クリスティー特集「名探偵ポワロ」&「ミス・マープル」
    ハァ〜;゜・(ε゜(○=(゜Д゜ )
    ひどい作品を見せられてしまいました。
    あまりのひどさに、放送終了後はしばし放心状態でした(´д⊂)‥ハゥ
    事件解決のために、2台の列車を緊急停止させるなんて・・・
    『パディントン発4時50分』 4.50 FROM PADDINGTON
    パディントン発4時50分posted with 簡単リンクくん at 2006.12.13アガサ・クリスティー著 / 松下…

  2. 『パディントン発4時50分』/『夜行特急の殺人』の各バージョン [映画・ミステリー]

    パディントン発4時50分アガサ クリスティー Agatha Christie 松…

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