2001年にジョン・ルカレが書いた小説をジェフリー・ケインが脚本化して、2005年ブラジル人のフェルナンド・メイレレスが映画化したサスペンス映画(国際陰謀映画)。
主演はレイフ・ファインズ、共演がレイチェル・ワイズ。レイチェル・ワイズはこの作品でアカデミー助演女優賞を受賞。

あらすじ

舞台はケニアのナイロビ。

在ケニアの英国高等弁務官ジャステインは突然妻をなくす。連れのゲイがいたはずだが、どこにもいないかわりに、他の男と死んでいた。
彼は妻との出会いから回想する。アフリカ、ケニアへ赴任が決まって彼女から逆プロポーズがあった。
彼女はケニアに来てからも活動家らしく、当地の医療行政に首を突っ込んではお偉方に睨まれる。とくに結核薬の人体実験の安全性に批判的だった。

彼女が流産して入院していた病院で、幼いワンザも入院していたがすぐ死亡し、弟のキオコと赤ん坊が残される。ワンザの担当医師はロービアだった。

実はテッサは、仲間達と新薬の危険性を調べて英国外務省にレポートを作って訴えていた。
その返信があった事をサンディから聞き、見せてもらう。サンディは妻がいたが、テッサを愛していた。その後、アーノルドとテッサは湖に行って殺された。
さらに、テッサの荷物が荒らされていた。ジャスティンは、残っていた荷物からサンディがテッサに書いた恋文を見つける。

ジャスティンはテッサがやっていた事件を引き継ぐことにする。
英国への帰宅命令が出たジャスティンは、帰国早々旅行券を偽造されていると言われて取り上げられる。
ペレグリンと食事をすることになって、サンディの恋文以外にもう一通手紙があることを知る。

ジャスティンは、テッサの従兄で弁護士のハムと会う。テッサの残した事件資料がメールで送られてきていていた。
ハムに別名の旅行券を手配してもらって、ジャスティンはテッサの属していたアムネスティ本部に向かい担当者から事情を聞きだす。
ペレグリン達は、製薬会社の作った新薬で巨額の富を得ようとしていたので、その薬の危険性をレポートにまとめたテッサが邪魔になった。
ホテルでジャスティンは、殺し屋に半殺しにされる。最後の警告だった。

別の旅券でケニアに戻ったジャスティンは、サンディに真実を話させる。やはり黒幕はペレグリンだった。その後、製薬会社ケニーがペレグリンに切り捨てられ、ジャスティンに新薬で死亡した人たちを捨てた場所を教える。
友人でもあるティムがジャスティンに、新薬の開発者であるロービアの居場所とティムは銃を渡す。ジャスティンは、スーダンの難民キャンプに医師のロービアを訪ねる。ロービアからは、例のペレグリンの返信の手紙を受け取る。
飛行機のパイロットにその手紙をローマの叔母宛てに送ってもらい、ジャスティンは、テッサが殺された湖に向かい、そこで殺し屋を待つ。
数週間して英国の教会でテッサとジャスティンの葬儀が開かれて、ペレグリンが立派な挨拶をする。その後、ハムがペレグリンからの手紙をマスコミもいる皆の前で読み上げ、真実を告発する。
手紙には、薬について隠し通すことや、テッサやアーノルドを監視するようになどが書かれてあった。

雑感

まさにフィルム・ノワールの域を超えた国際陰謀事件。しかし原作者の名作「寒い国から来たスパイ」には及ばないし、レイフ・ファインズ主演の「イングリッシュ・ペイシェント」にも及ばなかった。

ただブラジル人の監督フェルナンド・メイレレスがブラジルより汚いと表現したケニアのスラムの様子がショックだった。

スタッフ

監督 フェルナンド・メイレレス
脚本 ジェフリー・ケイン
原作 ジョン・ル・カレ
製作 サイモン・チャニング・ウィリアムス
音楽 アルベルト・イグレシアス

キャスト

英国高等弁務官 ジャスティン・クエイル – レイフ・ファインズ
妻で活動家 テッサ・クエイル – レイチェル・ワイズ
在ケニア高等弁務官所長 サンディ・ウッドロウ – ダニー・ヒューストン
外務省アフリカ部長 バーナード・ペレグリン – ビル・ナイ
国境なき医師団医師 アーノルド・ブルーム – ユベール・クンデ
同僚 ティム・ドノヒュー – ドナルド・サンプター
在アフリカ医師 ロービア – ピート・ポスルスウェイト
同僚ビルギット – アネク・キム・サルナウ

ナイロビの蜂 The Constant Gardener 2005 イギリス製作 フォーカス・フィーチャーズ配給 ギャガ国内配給

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