豪華客船を舞台に、巨大モンスターが深海から襲来する恐怖を描く特撮パニック映画。監督・脚本はスティーヴン・ソマーズ。この作品が認められて、「ハムナプトラ」シリーズを撮る。撮影はハワード・アサートン。音楽は巨匠ジェリー・ゴールドスミス。クリーチャーデザインは「トータル・リコール」でアカデミー視覚効果賞を受賞したロブ・ボッティン
主演はトリート・ウィリアムズ、「007/ゴールデンアイ」のファムケ・ヤンセン

あらすじ

東シナ海を処女航海中の3000人もの乗客を乗せた超豪華客船アルゴノーティカ号は宴会の真っ最中だった。掏摸であるトリリアンは金庫までたどり着くが、船主と船長に捕まり警察に引き渡されるまで食糧庫に閉じ込められる。突然、強い衝撃が船を直撃する。座礁か?
小型高速船サイパン号がちょうど近くを航行していた。フィネガン船長は傭兵を魚雷と共にある島まで運んでいたのだ。ところが、アルゴノーティカ号から衝撃で流された避難用ボートと衝突してエンジンが二基とも故障してしまう。フィネガンとパンツッチ機関長、さらに傭兵たちはアルゴノーティカ号に避難するが、客船は幽霊船のように全く人気がなかった。
キャントン船主とアルゴノーティカの船長、それにトリリアンだけが生き残っていた。キャントンによるとモンスターに襲われたという。アルゴノーティカ号は建造に巨額費用がかかり、採算が取れなかっていた。オーナーは保険金詐欺のため、傭兵たちに魚雷を撃ち込んでもらって客船を沈める計画だった。
ところがモンスターの出現でその手間も省けた。モンスターは触手で船長や傭兵を1人ずつ捕食していく。最後まで辛抱強く生きていたキャントンも最後はモンスターのえじきとなる。モンスターは深海タコのバケモノだった。フィネガンとトリリアンは客船から脱出し、魚雷を撃ち込んでモンスターを燃料ごと燃やし尽くしてしまった。
フィネガン、トリリアン、パンツッチは何とか孤島に辿り着いたが、森の中からモンスターの咆哮が聞こえてくる。

雑感

「タイタニック」(1997)同様にバンクーバーで製作した映画である。
ハッタリは効いているが、1998年のB級CG映画だけに、モンスターがしょぼい。人を食べるシーンも合成だから、しょぼいアニメにしか見えない。
公開時「90分で3000人を喰って喰って喰いまくれ!」というキャッチコピーだったが、実際には400人のエキストラを使っている。
フィネガン役はハリソン・フォードが第一候補だったが、断られて予算の3分の2が浮いたそうだ。
トリリアン役は撮影開始時クレア・フォルラニだったが、撮影開始から3日で監督は交代を決めた。

スタッフ

監督・脚本 スティーヴン・ソマーズ
エクゼクティブ・プロデューサー  バリー・ベルナルディ
製作 ジョン・バルデッチ 、 ローレンス・マーク
撮影 ハワード・アサートン
クリーチャー・デザイン  ロブ・ボッティン
CGI  ディーン・カンディ
視覚効果 ドリーム・クエスト・イメージズ 、 インダストリアル・ライト・アンド・マジック
音楽 ジェリー・ゴールドスミス

キャスト

ジョン・フィネガン  トリート・ウィリアムズ
トリリアン・セント・ジェームズ  ファムケ・ヤンセン
機関士ジョーイ・パンツッチ  ケヴィン・J・オコナー
レイラ  ユマ・デイモン
船主サイモン・カントン  アンソニー・ヒールド

 
ザ・グリード Deep Rising 1998 ハリウッド・ピクチャーズ製作 ブエナ・ビスタ配給 東宝東和国内配給

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