80年代ポップ・ミュージカルと40年代の古典的ミュージカル、さらに特撮、アニメーションを融合させたらこんなことになってしまいましたというカルト作品。
1947年にリタ・ヘイワース主演で撮られた映画「地上に降りた天使」の非公式リメイクである。
 

主演は「グリース」に続く歌手オリビア・ニュートン・ジョン、共演はかつてのミュージカル・スタア、ジーン・ケリーマイケル・ベック。監督はロバート・グリーンウォルドだが、この作品で初代ゴールデンラズベリー最低監督賞を受賞した。
 

あらすじ

 
その日レコード会社でアルバム・ジャケットを展示用に模写する仕事をしていたサニーは美人の絵を見て驚いた。偶然、公園でキスをした女性なのだが、どこの誰だか誰も知らない。
海岸でサニーはクラリネットを吹いている老人ダニーと知り合う。その日帰宅途中のサニーは、アルバム・ジャケットになったホールの前を通った。そこへあの美女が再び現われ、キラと名乗って消えた。
 
翌日サニーは、ダニーの豪邸に招待された。元はミュージシャンであり、その後建築業者として大富豪になったダニーの今の夢は、時代によらない様々な音楽を演奏するクラブを作ることだった。
 
ダニーは、キラに誘われて行った古い店で、40年代と80年代の音楽が一つに溶けあう夢を見る。ダニーはサニーと組み、音楽の殿堂ザナドゥをそこに作る決心をする。
同時にサニーとキラの間に恋が芽ばえていたが、キラはギリシャ神話の神ゼウスの娘ミューズだった。所詮、人間とは一緒になれず、キラは消えてしまう。
 
とうとうザナドゥがオープンの日を迎える。初日は全面開放のローラーディスコだ。しかしキラを失ったサニーは落ち込んで、店に現れない。ダニーに励まされサニーはもう一度キラを捜しに行く。やっとキラと会えて、一夜限りの彼女のライブ・パフォーマンスを楽しむことが出来る。そしてライブが終わると、再びキラはいずこへか姿を消す。
今度こそ落ち込むサニーのもとに店のウェイトレスがやって来た。ふと見上げると、そこにはキラの顔があった。
 

 

雑感

 
ザナドゥとは、チンギス・ハンの孫クビライ・ハンがモンゴルに作った夏の都上都のことで。別名桃源郷とも呼ばれる。上都についてはマルコ・ポーロが書き残していて、後に19世紀前半の詩人サミュエル・T・コールリッジによってザナドゥと呼ばれた。日本語では「キサナドゥーの伝説」にあるように「キサナドゥー」と読む。「シャングリラ」と誤解されるが、あっちはジェームズ・ヒルトンの小説「失われた地平線」の舞台で,チベットの山奥にある理想郷のこと。

 
オリビア・ニュートン・ジョンELOという好きだった歌手とバンドが共演していると聞き、楽しみにしていた。オリビアの歌もELOの伴奏も素晴らしく、サウンドトラックはヒットしたのだが、内容はよく分からない作品だった。
当時、ジーン・ケリーは映画「ザッツ・エンターテインメントI・II」のヒットで復権していたが、まさか若者向けの作品に出てくるとは思わなかった。若者たちをローラーディスコでニコニコしてリードする様は、若干痛々しくなった。

 
しかし、今となっては70年代後半から80年代にかけてのローラーディスコの様子とオリビア・ニュートン・ジョンの歌う映像(後にMTVの原型になる)に残していて、すっかりカルト映画になってしまった。
監督はTVプロデューサーで初映画監督だったが、怖いもの知らずでとんでもないものを作ってしまった。
 

スタッフ・キャスト

 
監督 ロバート・グリーンウォルド
製作 ローレンス・ゴードン 、 ジョエル・シルヴァー
製作総指揮 リー・クレーマー
脚本 リチャード・クリスチャン・ダナス 、 マーク・リード・ルベル
撮影 ヴィクター・J・ケンパー
音楽 バリー・デヴォーゾン 、 ジェフ・リン(ELO) 、 ジョン・ファーラー
 
配役
キラ    オリヴィア・ニュートン・ジョン
富豪ダニー   ジーン・ケリー
画家サニー マイケル・ベック (声の吹替:クリフ・リチャード
シンプソン ジェームズ・スローヤン
ヘレン   ディミトラ・アーリス
サンドラ  キャティー・ハンリー
リッチー   フレッド・マッカラン
 

ザナドゥ Xanadu 1980 ゴードン=シルバーP製作 ユニバーサル配給

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