「蠅男の恐怖」のカート・ニューマン監督がメガホンを取ったSF大作w「クロノス」。
宇宙人の箱型ロボットがカリフォルニアのエネルギーを吸い取りに来た!
主演はマッチョなSFスター、ジェフ・モンロー、ヒロインにバーバラ・ローレンス、さらにお笑い担当のジョージ・オハンロン(宇宙家族ジェットソンズの父親の声)。宇宙人に体を乗っ取られる研究所長にジョン・エメリー。

 

小惑星だと思っていたものが突然軌道から外れてメキシコ湾に落ちた。
軍隊にも顔が利く某研究所はガスケス博士カルバー博士、オペレーターのベラのお笑い三人組は大騒ぎ。エリオット所長は傍観する様子だが、三人組は放置できずメキシコへ出張する。当地で海に落ちた小惑星の代わりに巨大な箱を繋げたような建造物を発見して上陸するが、高度文明によるものと分かり退避する。ところがカリフォルニアでは写真が届かず、描かれた絵を見てアナウンサーが苦笑している。
アメリカ空軍から昔の兵器を譲受けたらしいメキシコ空軍は、謎の建造物クロノスに攻撃を仕掛けるが全く効かない。それどころかクロノスは移動を始める。
カリフォルニア方面に侵攻したクロノスに対して、米軍は水爆攻撃を決定する。決定にはエリオット所長も携わっていた。しかし攻撃は敵の思うツボで失敗する。敵は兵器の持つエネルギーを吸い取っていたのだ。
そのとき、突然エリオット所長がベラを襲った。ガスケスがエリオットを高圧電流に押し付けると、エリオットは急に我を取り戻す。実は宇宙人に体を乗っ取られていたのだ。所長はクロノスを内部から自滅させることができると言う。

 

同じ1957年に東宝は「地球防衛軍」という特撮映画を作っている。「クロノス」と比較すると面白い。
まず、「クロノス」では地球人は乗っ取って遠隔操作するものである。
「地球防衛軍」では怪遊星人ミステリアンという宇宙人が登場するが地球人と交配したいというのだから、人間そっくりだ。
敵ロボットは「クロノス」では無機質だ。箱を重ねたタイプで現代美術の下手なオブジェクトだった。一方、「地球防衛軍」ではモゲラが登場するが、自立歩行している。あくまで日本に来る宇宙人や宇宙怪獣は人間的な骨格や筋肉の働きを持った組織で動いている。

宇宙人を地球人型にする日本のやり方より、地球人を洗脳してしまうアメリカのやり方がいいと思うが、ロボットやモンスターはスーツアクターがいる方がいい。

 

 

 

製作 E.J.バウムガルテン
監督 カート・ニューマン
脚本 ローレンス・ゴールドマン、アーヴィング・ブロック

 

 

出演
ジェフ・モロー
バーバラ・ローレンス
ジョージ・オハンロン
ジョン・エメリー
モリス・アンクラム

 

 

クロノス (Kronos)1957 20世紀フォックス配給 東宝の「地球防衛軍」と比べよう

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