アンデルセンの「雪の女王」をもとに作られ、大ヒットしてしまった前作CGアニメ・ミュージカル映画の続編で、日本でのキャッチコピーは「なぜ、エルサに力は与えられたのか」。
ディズニーの脚本はジェニファー・リーで監督はクリス・バック、ジェニファー・リー
前回同様にエルサ役の声はイディナ・メンゼル(日本側声優は松たか子)、アナ役はクリステン・ベル神田沙也加)、クリストフ役はジョナサン・グロフ(原慎一郎
不祥事を起こしたため、前作の日本側キャストの内、オラフはピエール瀧から武内俊輔に交替した。

あらすじ

前作『アナ雪』から3年後、アレンデール王国の人々は穏やかで平和な日々を過ごす。
ある時、エルサ女王にだけ「不思議な声」がするのに気付く。

突然アレンデール王国に天変地異が起こり、不思議な声にこの原因があるとエルサは確信する。
そしてエルサ、アナ、クリストフ、スヴェン、オラフの一行は声のする方向へ出発する。

誰も入ることができない「魔法の森」に着くが、エルサが霧に触れると入ることができた。

精霊が現れるがエルサが精霊をなだめると、それは小さなトカゲの姿をしていた。
水には記憶が宿ると言われ、エルサはかつて「魔法の森」で起きた事件を氷像として蘇らせる。
そして氷の世界に閉じ込められた、アレンデール王国の兵士とノーサルドラの民を発見する。

ノーサルドラの民のおかげでエルサが持っている母の形見のショールが、ノーサルドラのものだと判明する。母・イドゥナはノーサルドラの民だった。

翌日さらに「不思議な声」の方へエルサ、アナ、オラフが行くと、両親の船を発見する。
そこには「アートハラン」川への地図が残されていた。両親は、エルサの魔法の謎を知るために航海に出たのだ。

エルサは単身「アートハラン」に向かう。そこでエルサは、自分が第5の精霊であり、人間たちと精霊たちの架け橋として生まれたこと、「魔法の森」で起きた争いの真実を知る。

エルサとアナの祖父・ルナード国王は、和睦を持ちかけながらノーサルドラの長に背後から切りかかったのだ。真実を知ったとき、絶望のあまりエルサは氷漬けになる。

アナとオラフにも、エルサからのメッセージが届き真実が伝えられる。
アナは争いの原因となったアートハランのダムを破壊することを決意する。
ついに、巨大な大地の精霊たちの投げる岩がダムに直撃し、ダムが崩壊する。

しかしアレンデール王国を溢れたダムの洪水が襲う。
その時、氷漬けになっていたエルサが復活し、水がアレンデール王国を飲み込もうとするその瞬間、氷の壁でアレンデール王国を守った。

アレンデール王国の兵士たちやノーサルドラの民も自由になった。アナはエルサと再会し、オラフも蘇る。クリストフがアナにプロポーズし、アナは承諾する。

アナは、精霊になったエルサが譲位したためアレンデール王国女王に就任した。エルサはノーサルドラの民と共に暮らすことにした。
二人は秘かに夜、一緒にゲームをして過ごしている。

雑感

前作はイディナ・メンゼル(松たか子)の歌が楽しみで見たが、内容は「雪の女王」のアナザー・ストーリーとしてはまあまあ良くできていた。
今回はその続編で男の子にも受け入れられるようにスペクタクル性を加えている。したがってずいぶん前の話と雰囲気が変わった。
それでも面白かった。第三作は作られないだろうが、短編集は作られそうだ。

不祥事を起こしたピエール瀧から交替した声優武内俊輔がこれだけの先輩に囲まれ、声色を使い分け堂々と演じているのは感動した。彼はアニメ声優の枠には収まらない男だ。

主題歌は前回と比べてパワーダウンしているが、松たか子の歌声はミュージカル俳優として超一流。神田沙也加も見せ場があって良かった。母役の吉田羊も歌は下手ではなかった。

スタッフ

監督 クリス・バック、ジェニファー・リー
脚本 ジェニファー・リー
製作 ピーター・デル・ヴェッチョ
音楽 ロバート・ロペス、クリステン・アンダーソン=ロペス、クリストフ・ベック
撮影 トレーシー・スコット・ビーティー、モヒト・カリアンプール

声の出演

エルサ イディナ・メンゼル  松たか子
アナ  クリステン・ベル  神田沙也加
クリストフ ジョナサン・グロフ 原慎一郎
オラフ ジョシュ・ギャッド 武内駿輔
デスティン・マティアス中尉  スターリング・K・ブラウン 松田賢二
イドゥナ王妃  エヴァン・レイチェル・ウッド  吉田羊

アナと雪の女王2 Frozen II (2019) ウォルト・ディズニー製作・配給

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