黒手組は第1次世界大戦前にセルビア民族主義を標榜したテロリスト集団が有名。しかし日本での黒手組の歴史は古い。近くは長州黒手組(隠密部隊)、黒手組助六(歌舞伎で有名な助六を小柄で小回りが利く役に変えた芝居)など悪党がよく付ける名前だった。
江戸川乱歩金銭目的誘拐事件を次々と起こして東京を恐怖のどん底に落としている謎の集団にそう名付けた。

「D坂の殺人事件」同様に「私」が語り部を務める。
黒手組に私の従姉妹が誘拐され1万円を伯父は犯人に直接渡したが、娘は帰ってこない。伯父は当夜、書生の牧田を護衛役として連れて行ったので犯人が消えた後、足跡を探したが二人の足跡しかなかった。話を聞いた明智は、誘拐される前日に冨美子のもとに届いたハガキに興味を持ち、借りて帰った。
数日間明智は自分の部屋に帰らず伯父と私が心配をしていたところに明智から冨美子を連れ帰る旨の電報が届いた。その夜二人は無事到着した。娘を寝かせて明智に話を聞くと、明智が黒手組が一万円を返し金輪際当家に手を出さないと約束したこと、そしてあなた方も黒手組のことを嗅ぎ回らないでほしいと言う。さらに明智の知る耶蘇教徒が娘と結婚したいと言って来るかもしれないが許してほしいと頼んだ。
伯父の家を出てから、私は明智にどうやってこの事件を解決したか尋ねた。明智は喫茶店へ行き、そこで謎を解き明かし始める…

暗号推理であり本格派と言える。
演出の工夫はいろいろある。まず黒手組の犯行パターンをマリオネットを使って説明した。これはフランス映画やアニメでは見たことがあるがテレビドラマでは珍しい。また伯父や牧田の回想シーンに明智が入り込んでいくが、これは今更ながらの演出方法だった。さらに明智が私を前に謎を解明するに当たって当時あるはずのないOHPやラジカセを使うところは、原作では1ページに収まる部分だから尺を引き延ばすために感じられた。
明智の手の刺青も意味がよくわからない。

 

原作もこの解決策はみんながハッピーのようで、結局破綻するものではないか。

どんな答えを出すか娘と牧田に任せれば、もっと面白かっただろう。

 

演出:関和亮

 

配役
明智:満島ひかり
私:田中圭
伯父:つのだひろ
伯母:ミッツ・マングローブ
牧田:矢部太郎

黒手組 2016 江戸川乱歩短編集2 NHKBS

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