ヴァレリオ・ズルリーニ監督「激しい季節」の次の作品。年上の女に夢中になる若い男をテーマにしている。

ヴィスコンティの「若者のすべて」に出演していたクラウディア・カルディナーレを主役に起用して、一躍スターダムに伸し上げたように若い女優を引き立てるのが上手な監督だった。

リッチオーネのクラブダンサー・アイーダマルチェロ青年に言い寄られて、クラブの仕事を放り出して駆け落ちしてしまう。実はマルチェロはパルマにある伯爵家の跡取りだったが、偽名を使って道楽でナンパしただけだった。道端の草むらで小便をするほど貧しい出身のアイーダと合うわけがない。車の修理工場でアイーダに食事をさせている間に、ずらかってしまう。

しかし彼は電話番号を教えてしまっていた。そこから住所を割り出してアイーダは乗り込んで来る。マルチェロは16歳の弟ロレンツォに「そんな人は知らない」と言ってシラを切れと言い含めるが、弟はアイーダが困り果てて泣きだすのを見て、母親を亡くしていただけに胸キュンである。結局、そんな男は知らないと言いながら、何くれとなくアイーダの支援をするのだった。ロレンツォが誠心誠意尽くそうとしているところを見て、アイーダも弟のように憎からず思うようになる。

しかし後見人の叔母の知るところとなり、神父を通してアイーダはパルマから追い出された。彼女はリッチオーネに戻るが、バンドマスターで元彼である男は元の仕事に戻らせてくれない。元彼の従兄は新しい仕事の口を聞いてやるというが、その代償に体を求めるつもりだ。そこへロレンツォが現れた。ロレンツォは従兄に殴りかかるが、相手は体格のいい男だ、相手にならない。でも周囲の男性たちが助けてくれて、隙をついて後ろから殴り、アイーダを連れて海岸へ逃げる。

夕暮れの海岸で二人は初めてのキスを交わすが、列車の時刻になり、アイーダは心を鬼にしてロレンツォを送り返そうとする。最後にロレンツォは、手紙と言って封筒を渡してパルマに去る。その中には手紙ではなく、大金が入っていた。それを見て、アイーダは暗い顔をしている。

 

すごい映画だ。

初め、CCが道端でオシッコをするあたりで、見るのが嫌になったw。その後も我慢して見ていると、どんどんロレンツォの一途さに引き込まれていった。終わった頃には、ズルリーニ監督のシンパになっていた。

クラウディア・カルディナーレの最後の暗い表情が、女を感じさせてものすごく美しい。それまでずっと行儀作法も知らない田舎女を演じていたのに、一瞬の変身ぶりが凄すぎる。これを見た人は、クラウディアに参ってしまうだろう。

幼く一途なロレンツォ役のジャック・ペランもこの後スターダムを歩む。映画の上映時にはすでに20歳だが、16歳の役を演じても違和感がない。小柄のせいもあるが、それ以上に演技力が高そうだ。2017年現在もう76歳だが、まだ現役のようだ。

監督 ヴァレリオ・ズルリーニ
脚本 ヴァレリオ・ズルリーニ 、 ベンヴェヌーティ 、 ベナッティ
撮影 ティノ・サントーニ
音楽 マリオ・ナシンベーネ

出演
クラウディア・カルディナーレ
ジャック・ペラン
ルチアナ・アンジェリッロ
レナート・バルディーニ
リカルド・ガローネ
コーラッド・パニ
ジャン・マリア・ヴォロンテ

鞄を持った女 1961 イタリア

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