喜劇の神様斎藤寅次郎監督がお送りする六男七女家族のホームドラマ。

主演は悲しきビッグダディを演ずる柳家金語楼。次女と隣家の長男の恋模様を中心に、五女の妊娠騒ぎ、六女の万引き事件、七女の養女問題を絡めて笑いあり涙ありの家庭劇に仕上げている。

 

 

あらすじ

 

銀行の警備員を勤める金太郎(柳家金語楼)と妻みよ(浦部粂子)は戦時中の産めよ殖やせよという人口増加キャンペーンに乗って、6男7女を作って表彰されたが良いは、戦後の食糧難になって生活に苦しむ。
そんな中、六女さかえ(久我美子)は買ってもらえない辞書を万引きして次男(キドシン)に投げ飛ばされる。末娘の十三子(美空ひばり)は子供ながらにませた流行歌を歌って教師の家庭訪問を受ける。孫(長男の息子)に至ってはひもじいからと言ってドケチ親父佐山(花菱アチャコ)宅のキュウリを盗んで捕まる始末。それもこれも無計画に子供を作って生活苦になったがためである。
金太郎はある日、資金輸送中に強盗に襲われる。幸い無事だったが、恐ろしくなり銀行を退職する。退職金を元手に商売を始めたいと考えている矢先に借金で困っている長女が無心に来る。
退職金の残りでアイスクリーム屋を始めた金太郎は、公園で野球をして遊んでいる長男(田中春男)とばったり出くわす。女房(清川虹子)に黙っていたが、何とリストラされて、職探しをしていた。
次女のつぎ子(江戸川蘭子)は行き遅れているため、親としても何とか縁談をまとめてやりたい。海水浴場での集団水着お見合いに参加したつぎ子は、佐山の一人息子武夫(堀雄二)と意気投合する。しかし金太郎は佐山が大の苦手である。とは言え、次女の相手としては資産家の一人息子は最も望ましい。ところが政府の呼びかけに応じての子沢山貧乏を佐山に馬鹿にされても、金太郎は怒ってしまう。
十三子が北海道の親戚に貰われて、長男一家も北海道の戦友を頼って移住する。五女の末子(月丘千秋)が会社の社長木田に騙されて妊娠して捨てられる。その騒ぎで母親みよが病で倒れる。木田の振る舞いに義憤を感じたのは何と佐山だった。佐山は木田の伯父で資金を融通していたのである。早速佐山を呼び出して一喝、末子と一緒にさせる。三男も復員してきて子供たちは全員揃って見守る中、みよは息を引き取る。金太郎は子供を産ませすぎた責任を痛感する。
金太郎はついに武夫とつぎ子の結婚を認める。そしてつぎ子の結婚道具の中にそっと避妊具を忍ばせるのだった。

 

 

雑感

 

戦時中、「産めよ増やせよ」と出産を奨励した。昭和期に入って日本の人口が減少し始めたからである。そのような人は戦争中表彰されたが、戦後の混乱期に入ると食うに食わずの生活に追い詰められた。

子だくさんだから貧乏になった話のようだが、貧乏人の子だくさんではないか。原因と結果を逆にしてるような気がするが、もしかしたらオリジナル編には詳しいエピソードがあるのかも知れない。

戦前活躍した歌手の江戸川蘭子を前に数曲を披露した美空ひばりは本当に怖いもの無しだった。

台詞はほとんど無いが千石規子も四女で出演している。ちょっとしたオールスター映画なのでお勧めである。

 

スタッフ

 

監督 斎藤寅次郎
製作 伊藤基彦
原作 阿木翁助
脚本 八住利雄
撮影 友成達雄

 

 

配役

 

父(金太郎) 柳家金語楼
母(おみよ) 浦辺粂子
長男(一郎) 田中春男
長女(初江) 堀越節子
次男(二郎) キドシン(木戸新太郎)
次女(つぎ子) 江戸川蘭子
三男(三郎) 生方明
四女(芳子) 千石規子
五女(末子) 月丘千秋
六女(さかえ) 久我美子
七女(十三子) 美空ひばり
一郎の妻  清川虹子
佐山長蔵(隣家主人) 花菱アチャコ
息子(武夫) 堀雄二
父の姉  飯田蝶子

 

 

金語楼の子宝騒動 1952 新東宝 1949年製作「あきれた娘たち」の短縮編集版

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