この映画も何度も見たが、それでも毎回発見がある。
昔はずいぶんと西部劇にも変形があった。
ゲイリー・クーパーにしても「ベンガルの槍騎兵」だの「マルコ・ポーロの冒険」だのいろいろ出ている。
戦後の西部劇はアメリカ国内かメキシコぐらいしか取り上げられなくなったが、この映画も当時の西部劇の一つのバージョンではないか。
もちろん、イングリッド・バーグマンとのメロドラマでもあり、後半は「愛する人を守る」戦意高揚映画にもなっている。
しかし後年メキシコ辺りでラテン系に囲まれて西部劇を撮っていたり、イタリアでマカロニウェスタンを撮ったりした原形がここにあるのではないか。
とは言え、ここに出てくる役者はスペイン人じゃなくてロシア、スラブ人がほとんどだ。
スペイン市民戦争がフランコ将軍の勝利に終わったのが1939年、第二次世界大戦の前夜である。
そしてこの本をヘミングウェイが出版したのが1940年である。
それを三年後プロデュース・監督してしまうサム・ウッドの商魂たくましいこと。
普通の年ではない。戦時中だ。
そこでこれだけ軍部も大衆も喜ばせる映画を撮ってしまうとは凄い男だ。
ただの野球映画専門監督(代表作は「野球王」)かと思ったら大間違い。
ヴィクター・ヤングの音楽もとくに美しく、忘れられない。
もちろん主役のゲイリー・クーパーやイングリッド・バーグマンもよかった。
イングリッド・バーグマンは本来好きなタイプではないが、短髪の彼女は美しい。
どうしてあんなに清潔感があるのだろう。

誰が為に鐘は鳴る(ワールドプレミア版) 1943 パラマウント

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