葉室麟直木賞作品を主演役所広司岡田准一小泉堯史監督が映画化した。

 

監督 小泉堯史
脚本 小泉堯史 、 古田求
原作 葉室麟

 

配役
戸田秋谷 役所広司
壇野庄三郎 岡田准一
戸田薫 堀北真希
戸田織江 原田美枝子
水上信吾 青木崇高
松吟尼 寺島しのぶ
大殿・兼通 三船史郎
慶仙和尚 井川比佐志
中根兵右衛門 串田和美

友人水沢と喧嘩で斬り合いをして相手の足の腱を傷付けた祐筆の檀は、厳罰を処されるべきところ家老の温情により幽閉中の秋谷の監視役を命じられる。秋谷は江戸勤番中に側室と不義密通を結んだ罪で切腹を言い渡されたが、藩史を編纂するために十年間の猶予が与えられている。実態は、秋谷がかつての事件を藩史にどう書くか家老は注目していたのだ。
檀野は秋谷の一家と同居するうちに、秋谷の農民への親身な接し方に触れたり、不義の相手とされた松吟尼に和尚の計らいで会って詳しい事情を聴くに至り、秋谷を無罪だと信ずるようになる。ついに秋谷の無実を証明する書類を入手するが、そこには藩の命運を分ける事実が書いてあった。檀野は命を懸けて秋谷の無実を家老の前で証明する。
そして10年の日が過ぎて、藩史を完成させた秋谷は潔白が証明されるにも関わらず、お上の決定の通り切腹する道を選ぶ

脚本に少し横道に逸れたところはあり、時間が長すぎる。岡田准一は居合抜をするシーンがあるが、使っている筋肉が全く違うので目立つ。

役所広司、原田美枝子の二人は心配するところは全く、返ってもう少し若い役者を試してみたかった。

串田和美は自由劇場の創立者だから時代劇は無理かと考えていたが、歌舞伎に参加していて時代劇の経験は問題なかった。

もう少し巧みに編集していたら、もっと面白くなった。そうできなかったのは、原作者サイドの都合でカットされなかったのだろう。

でも、結論だけは清々しいものだった。生き残っても遺恨が残るんだから、身を引いたほうが良い。でも回りから言われて切腹するのではない。あくまで自発的に腹を召したのだ。
現代人の生き方にこのような選択肢が与えられる事は少ない。しかし大きな企業にはたまにあるものだ。その時、映画の秋谷の生き方が参考になればと思う。もちろん死を選ばず生きるのも立派な哲学である。多分苦労は多いと思う。