渋江修平演出で事実上嶋田久作池松壮亮金田一耕助)の二人芝居。回想シーンとしてメジャーデビューしたばかりの音楽ユニット・水曜日のカンパネラに所属するコムアイと「獄門島」に鵜飼役で出ていた柳俊太郎らが出演する。

 

 

昭和21年初秋、市ヶ谷の焼け跡に佇む佐伯という男の前に川地の代理の者という復員兵が現れる。川地はニューギニアで戦死したが、死の直前まで昭和18年に起きたある殺人事件に頭を悩ましていた。その復員兵は、自分が佐伯と話し合えば謎が解けるという。問われるままに佐伯は昭和17年に自殺した妻由美の事から語り始める・・・

 

 

復員兵=金田一耕助の出ているシーンでは百日紅の花びらを効果的に使っていた。情事の回想シーンに布団の格闘を使うのは奇をてらっていて笑ったが、事件の回想シーンの演出は普通でとくに面白くなかった。

 

 

この作品は「獄門島」より後に書かれた作品だが、獄門島へ行く直前の事件という事で、アンソロジーにも収められ有名だ。源氏物語の若紫のように、妻由美を幼い時から育て、谷崎文学のように妻の周りに若い男を侍らせるなど日本文学の伝統を感じさせる。

 

 

だが嶋田久作をこの佐伯役に使うのは、少々勿体無い。嶋田には、カラコンを入れて怪人役で使えるような作品を選んで欲しかった。

百日紅の下にて(金田一耕助短編) 2016 NHKBSドラマ

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