昔は童謡に見立てた連続殺人というだけで興奮したものだ。悪魔という題名も大げさとは感じなかった。殺人事件の枕詞だと思っていた。

しかし40年近く経って、女性の立場から見られるように変わってきた。奥さんを8人も取り変えた庄屋や、金のためだけに女を4人も垂らし込んだ男が登場し、結果的に彼ら(及びその娘たち)が復讐されるお話である。

 

 

あらすじ

岡山県鬼首村のひなびた温泉宿、亀の湯金田一耕助は逗留する。友人磯川警部と久方ぶりに再会するためだが、待っている間に元庄屋の放庵と知り合う。放庵は独身で不自由していたが昔の妻おはんが帰って来ると喜んでいた。

数日後、磯川警部はやって来る。彼は20年前の未解決殺人事件のことが頭を離れないのだ。事件とは恩田という詐欺師が青池源治郎を殺害し顔を焼き尽くしたもの。果たして被害者と加害者が入れ替わってないか、磯川は捜査を金田一に依頼する。

早速、金田一は総社へ向かうがその途中でおはんと名乗る老婆と出会う。しかし総社では、おはんはすでに死んでいるという。村に戻り放庵の家へ行くと、放庵は失踪しており、吐血の跡と毒草が残されていた。

村には大空ゆかりが里帰りしていた。ゆかりは今は人気歌手になったが、恩田の娘であった。村の若い衆は熱狂するが、その夜から血も凍る惨劇が始まる。

 

 

 

多少、原作から改変されているが本質的には変わらず、原作より脚本の方が優れている点もあり不満は少ない。この映画が様々なベストテンで同じような見立て殺人である市川崑監督の映画「獄門島」より上位にランキングされているのは、ひとえに原作の精神に忠実だからだろう。

例によって金田一耕助は第一、第二の殺人事件を防げず、第三の事件に至っては人違い殺人まで起こしてしまう。それもこれも最初に犯人の罠にまんまとハマったからである。これは横溝正史の長編小説では、いつものことだが。

オールスター映画らしく楽しめる。華やかな女優陣では岸恵子がとくに美しい。昔よりずっと綺麗だ。当時、朝ドラ主人公だった才女・高橋洋子があっさり殺されるのもびっくりした。そして忘れてはならないのが、仁科明子の可憐さだ。テレビドラマ版の夏目雅子より、ずっとアイドルぽかった。

監督 市川崑
脚本 久里子亭
原作 横溝正史
企画 角川春樹事務所
製作 市川崑 、 田中収

配役

金田一耕助 石坂浩二
青池リカ 岸惠子
青池歌名雄 北公次
青池里子 永島暎子
別所春江 渡辺美佐子
別所千恵 仁科亜季子(明子)
由良敦子 草笛光子
由良泰子 高橋洋子
仁礼嘉平 辰巳柳太郎
仁礼流次 潮哲也
磯川警部 若山富三郎
立花捜査主任 加藤武
多々良放庵 中村伸郎
権堂医師 大滝秀治

悪魔の手毬唄 1977 東宝

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