イタリアのネオ・リアリズモやイランのアバース・キアロスタミ監督の日本における先駆者のような監督清水宏と昭和の大俳優大河内傳次郎の珍しいコラボレーション。

 

杉本(大河内傳次郎)は小さな村の代々村長を務めるような家柄の大地主だったが、気前が良くて朝から酒を飲んでいる気前の良さ。だから誰も本名で呼ばず民謡会津磐梯山に因んで「小原庄助さん」と呼ぶ。
戦争が終わり農地解放が進み財産はなくなったのに、それでも気前の良さは変わらず人のために借金をしては、借金取り(田中春男)に追いかけ回される。
ついに婆やに暇を出し、家財を競りに掛けるが、自分は見るのが辛いため芸者を上げて騒いでいる始末。
妻(風見章子)も実家へ連れ戻される。何も無くなった屋敷で杉本は泥棒に入られ、逆に取り押さえて説教するが、「汗水流して働け」と言い聞かせているうちに自分自身が働くべきと気づく。
翌日、身の回りのものだけ抱えてお屋敷を後にする。そのあとを妻が三歩下がって付いていく。

大河内傳次郎はやはり凄いなと思う。清水宏よりも格上で、監督のカラーも自分色に染めてしまう。また演技の腰の入り方が今の俳優と違う。とくに柔道シーンはほれぼれしてしまう。

風見章子は1921年生まれで当時28歳、珍しく主要な役を演じている。この人は二番目にクレジットされているのをあまり見覚えがない名バイプレーヤーだ。平成28年8月現在で現役だそうだから、長く活躍して欲しい。

清水監督らしさはこの映画にあまり出ていない。敢えて言えば脇役に無名俳優や素人を起用したことぐらいか。
それでも大河内や風見の好演があり、面白い映画だった。

歌手の赤坂小梅が出演して主人公の前で主題歌を歌っていた。なんとも恰幅の良い芸者さんだった。

 

 

監督 清水宏
脚本 清水宏 、 岸松雄
製作 岸松雄
撮影 鈴木博
音楽 古関裕而
配役
大河内傳次郎
風見章子
飯田蝶子
田中春男
清川荘司
杉寛
清川虹子
赤坂小梅

小原庄助さん 1949 新東宝

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