夭折したリヴァー・フェニックスと千葉真一ファンの仏教徒キアヌ・リーヴスが主演し、ポートランド三部作の一つとしてガス・ヴァン・サントが監督した同性愛映画。

リヴァー・フェニックスは、この映画でヴェネチア国際映画祭主演男優賞を受賞した。

 

あらすじ

 

父無子マイク(リバー・フェニックス)は母親にも捨てられ、オレゴン州ポートランドの街角で男娼として生活している。彼は緊張すると昏睡状態に陥るナルコレプシー(眠り病)患者だった。売春仲間の友人スコット(キアヌ・リーブス)は、政治家の父を持つが、3年前に家を飛び出していた。

マイクは母親探しを始める決意をし、スコットに声を掛けてバイクでアイダホに向かう。野宿したある日、マイクはスコットへの愛を告白するが、スコツトは彼の愛をやんわりと拒絶する。
兄リチャード(ジェイムズ・ルッソ)に会ったマイクは「俺の本当の父親はお前だ」と言う。マイクは近親相姦の子なのか。
リチャードから手に入れた母のハガキから、2人はローマを目指す。パトロンを見つけて何日かサービスして念願のローマへの航空券を手に入れる。ローマでもマイクは眠り病の症状を示す。スコットは拙いイタリア語でマイクの母の消息を探し当てるが、彼女はわずか数ヶ月で消えてしまい消息は途切れてしまった。

マイクはがっかりするが、スコットはイタリアで出会った美少女カルメラ(チアラ・キャセリ)とイチャイチャしてさらにマイクは悲しくなる。ついに一人分の航空券と当座の生活費をマイクに渡して、二人は何処かに駆け落ちしてしまう。
マイクはポートランドに辿り着き、また男娼として客を取る毎日へと戻った。男娼の父親代わりであるボブ(ウィリアム・リチャート)は、父の跡を継いで立派になったスコットに冷たくつきはなされる。深い絶望の中、ボブは悶死する。
ボブの葬儀の日は、スコットの父の葬儀の日と重なり、厳かな儀式の隣りで、男娼同志の盛大な青天乱行パーティが始まってしまう。それはスコットへのマイクのお別れでもあった。
そして1人ぼっちになったマイクは、一本道で眠り病によって昏睡状態に陥る。そこへ1台の車が通りかかり、人事不省のマイクを連れて何処かへ消えてしまった。はたしてその男は兄か、ドイツ人ホモのハンス(ウド・キアー)だろうか。

 

 

雑感

 

女性ファンの多い二人の新進スターをBL(ボーイズ・ラヴ)に使うという贅沢な戦略。ガス・ヴァン・サント監督の個人的趣味だから仕方ないが、当時のファンはどういうふうに受け止めたか。

今でこそ日本はBLブーム真っ盛りで、アニメでさえもハードなラブシーンが描かれているが、当時はまだ厳しく女性でも拒絶反応を示す人は多かっただろう。淀川長治先生は好きだったけれど、リヴァー・フェニックスの男性ファンはこっち系の人が多いような気がした。

マイクは終始孤独である。スコットは一時期彼に好奇心から近付いて来るが、結局バイセクシャルであり、女とともにマイクを残して旅立ってしまう。こんなときの孤独な演技をさせたら、リヴァーの右に出るものはなかった。

男同士のラブシーンで静止シーン(カメラは回しているが、俳優が止まっている)を使うのは、ヘイズ・コード対策か?男性3Pのシーンなんか普通の人が拝むことはあり得ないのだから、怖いもの見たさで見せてもらいたかった。その辺りは、少し興ざめした。さらにスコットと女性であるカルメラのラブシーンまで静止シーンだった。男同士の絡み体位を静止映像にするのだから、平等にしなければならないと、ガス・ヴァン・サント監督は考えたのだろう。

 

 

スタッフ

 

監督・脚本・製作総指揮 ガス・ヴァン・サント
製作 ローリー・パーカー
撮影 エリック・アラン・エドワーズ 、 ジョン・キャンベル

 

 

キャスト

 

マイク  リヴァー・フェニックス
スコット  キアヌ・リーヴス
リチャード(マイクの兄)  ジェームズ・ルッソ
ボブ  ウィリアム・リチャート
ゲイリー  ロドニー・ハーヴェイ
カルメラ(イタリア人、のちにスコットの妻)  キアラ・カゼッリ
ハンス(ドイツ人のホモ) ウド・キアー

 

 

マイ・プライベート・アイダホ (My Own Private Idaho) 1991 ファイン・ライン・フューチャーズ配給

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