韓国は日本、台湾、中国、香港、インドなどと比較すると、かなり映画後進国だ。
それでも、オールナイトフジにも出ていた、イ・ヘイスクが女優開眼した「銀馬将軍は来なかった」など国際的に評価された作品も少なくない。
ただ洋画に押されっぱなしで国産映画の観客動員力の低下はいかんともしがたいようだ。
シュリ」はそういう状況で打倒ハリウッドを目標にして作られたスパイアクション。
予算は限られていて、ほとんど一発勝負のような撮影の連続がかえって緊張感を生み出している。
結果として大成功した。「シュリ」が「タイタニック」の韓国での動員数を抜いたのだ。

 

メイキングを見ていて驚いたのは、驚いたのは、銃撃戦の中で水槽が破裂するシーンがあるが、もし火薬が利かず、水槽が割れなかったら、取り直しが利かないので、その場で実弾を用意して、いざとなったら、水槽を射撃するというのだ。
それだったら、初めから実弾で撃ち合いした方が早いのではないか(笑)

 

南北首脳会談を阻止しようと北の軍部がクーデターを企む。
北の女スナイパー、イ・バンヒはパク隊長(チェ・ミンシク、世良公則に似ている)と共に南に潜入して、秘密爆弾CTXを奪取する。
南の情報部員ユ・ジュンウォン(ハン・ソッキュ、近鉄から中日に飛ばされた小池にそっくり)とイ・ジャンギル(ソン・ガンホ、豊原功輔に似ている)は捜索に乗り出すが、何故か一歩及ばず、逃げ切られる。
どうも内部からの情報の漏れがあるらしい。
イ・ジャンギルは相棒のユの周辺に疑惑を抱く。

映画としては大したことはない。泣けるほどのものでもない。
ハリウッドアクションに対する「習作」って感じだ。
とくに主役のユが、アパッチけんみたいな顔だけに、ちょっと感情移入が難しかった。

 

ただ、日本より国際的に遅れていた韓国映画がこうやって海外輸出力を持つ作品を作り出したことに衝撃を受ける。
日本は金もあるんだから、やればできるはずだ。
何故それをやらないか。

 

ようやく今年の夏にダイハードっぽい、「ホワイトアウト」が上映されるが、それでもまだまだ。
安っぽい東映ヤクザ映画ばかり作っていないで、もっとしっかりとお客さんを楽しませて金になる作品を作って欲しい。
でなきゃあ、芸術的な作品制作にもお金が回っていかないのだ。

シュリ (1999,韓国)

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