ザ・スパイダース主演映画第二弾は昭和43年の正月映画だった。
スパイダースの7人が海外ツアーから帰ってくると、何故か二組の悪漢たちに東京から鹿児島まで追い掛け回される、コミカルなサスペンス劇。

 

Synopsis:

ザ・スパイダースの一行は盛況だった海外ツアーから飛行機で帰国した。堺正章井上順は揃って大きな人工ダイヤ入りのタンバリンを海外で購入したが、実は密輸団に堺のものだけ本物のダイヤとすり替えられていた。入国後、密輸団は井上のタンバリンを盗むが、間違いだったことに気付く。
またリーダー田辺アタッシュケースが、税関で犯罪集団の機密書類の入ったアタッシュケースと取り違えられた。それゆえスパイダースは二組の悪漢たちから荷物をつけ狙われることになった。
東京のホテルで異変が起きて死体が発見された。二組の悪漢が出会って殺し合いをしたのだ。しかし警察は一体何故なのか手掛かりすら掴めない。スパイダースはひとまず東京を離れ、コンサートのある鹿児島へ向かう。
ところが鹿児島でも敵からの接触は続き、所属会社の社長の妹ゆり子(和泉雅子)が襲われるに至って、ついにスパイダースの面々は怒りを爆発させる。
東京に戻った彼らは警察と協力して、二台の車に敵の狙っているものをそれぞれ載せて、両方の敵を一か所におびき出す作戦に出る。

Impression:

1965年からヒット曲を量産して来たスパイダースも、1967年末は同世代のライバルであるジャッキー吉川とブルーコメッツレコード大賞を受賞して、下の世代からはタイガース、テンプターズの突き上げが厳しくなり、集客力が落ちて来た時期だ。
そんな中でも、彼らは1967年に4本、1968年に5本の映画に出演して、芸達者なところを見せてくれた。特にセリフが多かったのは堺正章、井上順、田辺昭知、かまやつひろしの順。井上堯之(ギタリスト、作曲家)、大野克夫(キーボード、作曲家)、加藤充(ベース)は如何にもモブ的な存在だった。

 

この映画は堺正章が事実上の主役で悪目立ちしている。リーダーの田辺昭知がツッコミの意味で小突くシーンが多かったが、本気で殴っているように見えた。あれは堺の芸なのだろうか。

 

またヒロイン和泉雅子が本番中によく本気で笑っていた。多分、堺と井上順がアドリブを入れたのを一発ドリしたのだろう。

 

作品としては、中平康監督が「ビートルズがやってくる!ヤァヤァヤァ」を基にして作ったものだが、監督の演出にいつもの切れ味はなく、悪くはないのだが無難に撮った感じがする。堺駿二から受け継いだ堺正章の芸中平監督の芸術が合わなかったのだろう。

 

ただ、ファンとしては曲数が多くて、しかも多くの名曲を網羅している素晴らしい音楽映画でもある。

 

 

Staff/Cast:

監督 中平康
脚本 伊奈洸 、 倉本聰
企画 笹井英男
撮影 北泉成
音楽 かまやつひろし 、 脇野光司

 

出演
堺正章
井上順
田辺昭知
かまやつひろし
加藤充
大野克夫
井上孝之
波多野憲 社長の緒方
和泉雅子 緒方ゆり子
真理アンヌ 密輸犯矢代美代子
草薙幸二郎 サングラスの男
植村謙二郎 峰岸
楠瀬志郎 ソフトの男
堺駿二 お婆さん (親子出演)

 

ザ・スパイダースの大進撃 1968 日活 スパイダース映画第2弾は正月映画

投稿ナビゲーション