セックスマニアックの大歌手ディーン・マーティンが運転する車がエンコを起こし、ひからびた町に現れたことから起きる、巨匠ビリー・ワイルダー(監督・製作・脚本)が描いたセックス・コメディ。

 

 

Synopsis:

ネバダの片田舎に住む、売れない作曲家のオーヴィルは、しがないピアノ教師と教会のオルガン弾きをして妻ゼルダとの生計を立てていた。ガソリンスタンドで働く作詞家志望のバーニーに唆され、歌手のディノを自宅で接待することになる。自分の曲を売り込むためだ。ディノは女に手が早い性欲魔人で有名だ。妻に手を出されては敵わないので、代役に酒場「へそ」の女ポリーを立てることにして、妻ゼルダとはわざとけんかをして実家に帰す。

ポリーは妻に化けてディノに気に入られるが、オーヴィルの方がポリーに対して情が移る。ついにはディノを追い出してポリーをベッドに誘う。

一方、一度は実家に帰ったゼルダだが、再び自宅に戻り窓から中を覗くと、オーヴィルとポリーが馬鹿騒ぎをしている。かっときたゼルダは、酒場へ行き飲み潰れる。マダムに介抱されてポリーのベッドで一晩過ごすことになるが、そこへ忍び込んだのは性欲魔人のディノだった。

結局、ゼルダは家に戻らず弁護士事務所で離婚協議が行われる。しかし隣の電気店のテレビで、ディノがゼルダに作った曲「ソフィア」を何故かディノが歌っている。ポリーは高価な車を新調して町を出るし、オーヴィルは混乱してしまう。ゼルダは、急に機嫌がよくなり夫に「ねえ!キスして」とせがむのだった。

 

 

要するにW不倫の結果、夫が出世するというブラックユーモアだった。ジャック・レモンのような小気味のよいコメディではないが、やっぱり面白かった。

 

キム・ノヴァクはコロンビア映画を離れ、結婚離婚を二回繰りかえして生活が荒れていた時代。彼女のキャリアとして見ると、全盛期が終わった頃である。ところが汚れっぷりを利用して、人のよい娼婦役をまんまと演じている。

 

ジャック・レモンの奥さんだったテレビ女優フェリシア・ファーは度々見たことがあるが、ほとんど印象に残ったことはない。ところがこの映画に関しては、最もセクシーで魅力的なコメディエンヌだった。キム・ノヴァクより美味しい役だったと思う。

 

挿入歌「ソフィア」は、ジョージ&アイラ・ガーシュインの曲だ。

 

 

 

監督 ビリー・ワイルダー
製作 ビリー・ワイルダー
原作 アンナ・ボナッチ お芝居の戯曲である。
脚本 ビリー・ワイルダー 、 I・A・L・ダイアモンド
撮影 ジョセフ・ラシェル
音楽 アンドレ・プレヴィン、ジョージ・ガーシュウィン

なお白黒映画だ。

 

 

出演
レイ・ウォルストン (売れない作曲家オーヴィル・スプーナー) 本業はテレビ俳優
フェリシア・ファー (妻ゼルダ・スプーナー) ジャック・レモンの二番目の奥さん
ディーン・マーティン (ディノ) ご本人
キム・ノヴァク (酒場の娼婦ポリー)
クリフ・オズモンド (ガソリンスタンドのバーニー・ミルサップ)  やはりテレビ俳優
バーバラ・ペッパー (酒場「へそ」のマダム、バーサ)
ドラ・メランド (プチボーン夫人)
ハワード・マクニーア (プチボーン氏)

 

 

ねえ!キスしてよ (Kiss Me, Stupid) 1964 ユナイテッド・アーティスツ配給 ビリー・ワイルダーのセックス・コメディ

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