狂女の怨念のために30年経って起きる連続殺人事件を描いた、斎藤澪が書いた第一回横溝正史賞受賞作品を角川が映画化。

監督は増村保造。脚本は松木ひろし

主演は岩下志麻、助演は岸田今日子根津甚八、杉浦直樹、芦田伸介

 

 

 

Synopsis:

雑誌記者の須藤はある殺人事件捜査本部で先輩母田に出会う。母田は蔵相の秘書が妻青蛾の占いの力を借りて政財界に隠然たる力を行使していることを明らかにするため、青蛾の女中であった、殺人事件の被害者良子と会う約束をしていたのだ。母田は青蛾の秘密を暴くため、会津へ一人旅立つが、帰京後変死する。警察は早々に自殺と断定する。

須藤は会津での調査資料が遺品になかったことから、殺人ではないかと考え、母田の調査を引き継ぐ。すると意外な事実が次々と浮かんでくる。表に出ているのは青蛾だが裏で操っているのは、麻耶という女性だった。ゆき子は東京で生まれたが、父親高橋が消えてしまい母親真弓も麻耶が七つの正月に自殺して、知人により会津に引き取られた。結局成長してから父親に復讐を誓って東京へ出ていく。麻耶の写真を見て須藤は驚く。母田とよく会っていたバーのママゆき子だったのだ。

須藤は東京に戻って父親である、今はホテル王になった高橋に会ってゆき子に会うなと告げる。しかし高橋はだからこそ会わなければならないと言い、かつて真弓と暮らした場所にへ出かける。そこで高橋はゆき子の知らない秘密を語り始める。

 

 

 

Impression:

岩下志麻の芝居は重い。昔はこうでは無かったし、当時でも極妻の方がまだマシだ。若い頃からドロドロした役ばかりやってきた呪いではないか。

この原作が横溝正史賞に相応しい点は、やはり真弓が幼子を盗んで自分の子供として育て実父へ復讐するように洗脳したこと。そして父から真実を告げられたゆき子が精神崩壊を起こしてしまうこと。狂った女の怨念としか言いようがない。

欠点は30年間という長い間に渡って呪いが解けないのが、嘘っぽい。その間にトラウマが解ける瞬間もあるだろう。復讐なんて馬鹿馬鹿しいと思うこともあろう。それでもまたゆき子は傷ついて再び呪いに掛けられるのだ。そういう過去の経緯が省略されているのが残念。

最もホラーだったのは、岩下志麻がセーラー服を着て写真に写った姿。岩下志麻は昔の松竹映画でもセーラー服になったことはないのか?

原作者斎藤澪の作品は、ここ10年ほど見なくなった。20年ほど前は、シリーズ物に挑戦していたが、もう筆をおいてしまったのか。

増村監督もテレビの演出し過ぎで切れ味が薄くなった。これが最後の監督作品だ。4年後に亡くなっている。

 

Staff/Cast:

監督 増村保造
製作 角川春樹
原作 斉藤澪
脚本 松木ひろし 、 増村保造
撮影 小林節雄
音楽 大野雄二
美術 間野重雄

 

出演
岩下志麻 倉田ゆき子
根津甚八 須藤洋史
岸田今日子 真弓
辺見マリ 麗子(青蛾)
畑中葉子 池畑良子
中原ひとみ 結城昌代
芦田伸介 高橋佳哉
坂上二郎 生松
杉浦直樹 母田耕一

 

この子の七つのお祝いに 1982 松竹+角川 第一回横溝正史賞受賞作品の映画化

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