市川崑が京都伸夫作のラジオドラマ「アコの贈物」を監督・脚色した作品。

森雅之と水戸光子が大阪に住む夫婦役。森は大学の英文学助教授であり雑誌に小説を発表している。水戸も女学校教師をやりながら新聞に人生相談を書いている。子供はなく生活には少し余裕があるのでお手伝いを一人雇っている。
水戸には厄介な姪アコ(久我美子)がいて、三重の志摩から大阪に家出して来る。水戸は森を使ってアコを実家に追い返すが、都会で行儀見習いをさせてくれるようにアコの父や祖母に頼まれて森はアコを家に連れ帰って来る。もともと森の方に懐いていたアコは、それ以来水戸に反発して夫権回復のため奮闘する。

 
「あの手この手」という題名は、「アコ」が「あ」の手「こ」の手で妻の尻に敷かれている森の失地回復を図るの意味。
 
当時のホームコメディだ。時代の風潮に乗って女性上位を良しとする家庭でも、ときおり波風を立てて夫の良さを再認識した方が長持ちすると言う話。
 
当時の日本は7年前まで戦争していた国だが、ホームコメディでは戦争のかけらも感じさせない。ただ子供がいない理由がわからず、気になるところだ。
 
水戸光子が好演しているところを久々に見た気がする。主役から脇役まで何でもできる素晴らしい女優さんだ。
久我美子は途中から舞台を引っ掻き回すお嬢さん役だが、大俳優二人を相手にして少し荷が重かったか。
それから伊藤雄之助と望月優子の脇役夫婦が良い味を出していた。

 

 
監督 市川崑
脚色 和田夏十 、 市川崑
原作 京都伸夫

 
配役
アコ 久我美子
近子 水戸光子
鳥羽 森雅之
天平 堀雄二
鈴江 津村悠子
野呂夫人 望月優子
野呂医師  伊藤雄之助

あの手この手 1952 大映


Related posts:


投稿ナビゲーション