地味なNHK大阪局製作でありながら終盤まで視聴率を落とさず、ついに平成ナンバーワンの座に躍り出た朝ドラ「あさが来た」。

その魅力の秘密をさぐってみたい。
幕末に京都の三井家から大阪の両替商に嫁いだ二人の姉妹を宮崎あおいと波瑠が演じている。史実では明治維新で姉・宮崎あおいのお店は没落し20代で命を落とすとある。しかしその姉が和歌山のミカン農家の妻として生きているとして最後まで姉妹の関係を美しく描いたのが大成功した要因の一つ。脚本家は姉が早死にしたことを知らなかったそうで、ケガの功名である。
また玉木宏がかなりくさいながらも理想的な波瑠の夫を演じて女性ファンを引きつけた。本当はうめを妾として男の子を産ませているのだが、そういうリアリズムはなかったことにしている。ディーンフジオカも大阪商工会議所と大証の基礎を作った五代友厚を非常にくさく演じていたが、この格好良い「大阪くささ」が女性には好まれたようだ。
主演の波瑠は演技力を見せたではない。びっくりぽんと好奇心にあふれる女性をただひたすら元気に演じていただけである。モデルの広岡浅子は日本女子大を設立したり、今も優良企業として続く大同生命の基礎を成したり、大阪の女性として経営史に残る存在だったが、そんなことは見ている女性にはどうでもいいこと。朝から元気であればそれだけで良いのである。実際に広岡はアントニオ猪木のようなバイタリティあふれる存在だったかも知れない。
個人的には浪花千栄子や山茶花究が活躍した頃の大映京都映画や70年代の花登筐ドラマ全盛期以来久しぶりに浪速商人のドラマを楽しませてもらった。正しい大阪弁ではなかったが、それは今さら仕方がない。今日、時代劇でさえ台詞の劣化が激しいのだから。

 

 

 

 

あさが来た 2015.10~2016.3 NHK大阪

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